芋刺いもざ)” の例文
「成瀬屋の用心棒——腕自慢の力自慢で、その上恐ろしく氣の強い番頭の傳六が、見事に芋刺いもざしになりましたよ」
大身槍おおみのやりを振った髑髏人どくろじんが、一人の騎士の胴体を芋刺いもざしにしている図が描かれ、また、その右側のは、大勢の骸骨が長管喇叭トロムパ角笛ホルンを吹き筒太鼓ケットル・ドラムを鳴らしたりして
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
魔術師は看客かんきゃくの目の前で生きた女を胴切りにしたり、箱詰めの小女こおんなつるぎ芋刺いもざしにしたり、彼女を殺害して鮮血したたる生首を転がして見せたり、あるい立所たちどころに人を眠らせ、自由自在の暗示を与え
魔術師 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
間違ひもなく芋刺いもざしぢやないか、それを仕掛けたお君は、うまく行けば姉の敵を討ち、まかり間違へば、向柳原の八五郎のところへ逃げ込む氣だつたに違ひあるまい
大抵の者なら芋刺いもざしになるところだつたが、御浪人は、腕が良いから、サツとかはした。
銭形平次捕物控:167 毒酒 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
「お玉が可哀想だ。あのにきび野郎に手籠にされた上、芋刺いもざしにされちや浮ばれねえ」
長いので胴から首へ、芋刺いもざしに貫かれて死んでゐたといふのでした。
銭形平次捕物控:180 罠 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
その代り、間違つても大きい聲を出すと、一と思ひに芋刺いもざしだよ
「胴腹を芋刺いもざしにされたのは天罰てんばつですよ、尤も——」
銭形平次捕物控:180 罠 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)