船側せんそく)” の例文
船側せんそくに青竹を縛り付け手釣りの上下あげさげに滑りよき便りとする。は綺麗な小海老の尻尾を去つて鈎なりに刺す。鬼のやうな顔のホゲ(東京でおこぜ)が釣れた。
坊つちやん「遺蹟めぐり」 (新字旧仮名) / 岡本一平(著)
と、金博士は事務長に挨拶すると、ふなべりをまたいで、傾斜した船側せんそくの上をすべだいのように滑って、どさりと百花咲き乱れる花壇の真中に、トランク諸共もろとも尻餅しりもちをついたのであった。
船側せんそくはもうこけむしている。船底はおそらくかきのいい住家になっているにちがいない。帆はまきおろされているが、すでにぼろぼろになって、使いものにはならないだろう」
恐竜島 (新字新仮名) / 海野十三(著)