般若野はんにゃの)” の例文
大和やまと般若野はんにゃので、宝蔵院衆のたくさんな槍を相手にまわして闘った時の武蔵のたのもしい姿を、彼は、ここでも頭にえがいて
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
兵馬の大群は、やがて般若野はんにゃのから庄川しょうがわをわたり、戸出といでに夜営し、次の日はすでに、石動いするぎの北方から山岳地へかかっていた。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
武蔵に捨てられても、その武蔵から離れられないで、遠く見まもりながら、彼は今般若野はんにゃのの沢の上にあたるところへ来て、ぺたっと坐っている。
宮本武蔵:03 水の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「御両所、ここには、新免しんめん武蔵と署名しあるが、武蔵といえば、先頃、宝蔵院衆と共に般若野はんにゃので多くの無頼者ならずものを斬ったという——あの宮本武蔵とは別人だろうか」
宮本武蔵:03 水の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
般若野はんにゃのにおける武蔵の雄姿を思いだし、彼もまた、針鼠のように筋肉をふくらませていた。
宮本武蔵:03 水の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「はい。般若野はんにゃのから、奈良まで見て来るといって出られましたが」
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「いつかお前の話には、大和やまと般若野はんにゃので、武蔵様が宝蔵院衆と戦いになろうとした時は、思わず、神様と大声をあげて空へを合わせたというじゃありませんか。あそこへ行って拝んでいらっしゃい」
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
もう般若野はんにゃのに近かった。
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)