舞人まいて)” の例文
そのうちに、夕立が来て、舞台も観衆も、ズブ濡れになったが、正親町おおぎまち天皇も、秀吉も、座をうごかないので、舞人まいても見物も、そのままきょうをつづけていた。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「小鼓はかくなん申す有村ありむら大倉流おおくらりゅうきたえを以て打ちまする。舞人まいては殿、いざ——」
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
五座の神楽かぐらは、人長ひとおさ歌詞うたことばから始まって、いつのまにか舞人まいても入れ代っている。大まかな岩戸神楽もすすみ、荒尊あらみことほこの舞につれて、早拍子の笛がさけび、鈴がりんりんと振り鳴らされた。
宮本武蔵:07 二天の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)