腰糧こしがて)” の例文
ほどなく土地の内藤三郎兵衛道勝どうしょうも来て大釜でかゆ、兵の飢えはしのがれたが、尊氏はなお、腰糧こしがて三百人分を道勝の手に託して
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
すぐその後から、さっきの武士が、一同の腰糧こしがてを抱えて飛び込んで来た。それを合図に、武士たちは船頭を叱咤しったして、すぐ舟を出させた。
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「いや歩こうよ。まだ腰糧こしがて(弁当)もあるし、疲れたら山寺の庫裡くりでも叩こう。が、右馬介は気うといか」
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
装備、腰糧こしがてなど、ひるまでに万端、発向の用意をおわること。やがて、二度の鐘合図かねあいずととも、一手は日吉ひえ坂本より大津ぐちへ、一勢は雲母坂きららざかより上加茂へうごき出るぞ。
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「よしよし、ほかの大名旗本勢など、いちいち知る要もない。まずは腰糧こしがてを食うてよく寝ておけ」
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それがすべて腰糧こしがてまで身につけて、宿を立つには、朝々一ト騒ぎであった。
私本太平記:05 世の辻の帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「大急ぎで、腰糧こしがて(弁当)七人分ほど拵えてくれい」
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ひる腰糧こしがてもすませ、野営をもたたませると
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)