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脂燭
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ししょく
ふりがな文庫
“
脂燭
(
ししょく
)” の例文
そして、嫁方の
庭燎
(
にわび
)
の火を、途上で、こちらの
脂燭
(
ししょく
)
に移し取った騎馬の使者は、それを先に持ち帰って、初夜の
帳
(
とばり
)
の燈台に点火しておく。
私本太平記:02 婆娑羅帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
聟どのの家から大事に消えぬように持って来た
脂燭
(
ししょく
)
の
灯
(
ともし
)
を、すぐ婚家の
婢
(
ひ
)
が、その家の脂燭に移し
灯
(
とも
)
して、奥へかけこんでゆく。
新書太閤記:02 第二分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
松明
(
たいまつ
)
のほかに、
脂燭
(
ししょく
)
の用意もしてありましょうな。裸火にしては持ち歩けぬゆえ、消えぬよう、明りに
紙覆
(
おい
)
をかけて、嫁君のお家まで持ってゆく。
新書太閤記:02 第二分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
時ならぬ兄の訪れと聞いて、正季は
脂燭
(
ししょく
)
を手に、自身迎えに出て来たが、その小さい灯も、雨音に消されそうだった。
私本太平記:03 みなかみ帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
在房は
脂燭
(
ししょく
)
の揺れを手のひらで
庇
(
かば
)
いながら、遠くの琵琶へ耳をすまして、やがて宮のご不審へ答えて言った。
私本太平記:09 建武らくがき帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
あちらにも
脂燭
(
ししょく
)
の御用意がしてあるはずゆえ、御挨拶といっしょに、その
灯
(
あかり
)
を、あちらの物に移し、三日三晩は、消えぬよう、神棚にあかあかとぼしておくのでござりますぞ——おわかりかの。
新書太閤記:02 第二分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
宮の足もとを
脂燭
(
ししょく
)
で照らしながら、かがみ腰で先にあるいていた式部の権ノ大夫
在房
(
ありふさ
)
は、中坪へ面する廊へかかると、雪がうッすらと通り道にまで吹きこんでいるところもあったので、そのたびには
私本太平記:09 建武らくがき帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“脂燭”の意味
《名詞》
宮中において夜間の行事で使用した松の枝などでできた照明具。
紙などのこよりを灯油に浸して火を灯す照明具。
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(出典:Wiktionary)
脂
常用漢字
中学
部首:⾁
10画
燭
漢検準1級
部首:⽕
17画
“脂”で始まる語句
脂
脂肪
脂下
脂汗
脂粉
脂切
脂臭
脂肉
脂身
脂気