能化のうげ)” の例文
六道能化のうげの主を頼みて、父の苦患くげんを助け、身の悲哀を忘れ、要因によつて、かへつて勝道を成さんとしたのであると考へれば、まことに哀れの人である。
平将門 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
釈迦如来は勿論三界六道さんがいろくどう教主きょうしゅ十方最勝じっぽうさいしょう光明無礙こうみょうむげ億々衆生平等引導おくおくしゅじょうびょうどういんどう能化のうげである。けれどもその何ものたるかは尼提の知っているところではない。
尼提 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
その時、能化のうげの地蔵尊
三界六道さんがいろくどうの教主、十方最勝じっぽうさいしょう光明無量こうみょうむりょう三学無碍さんがくむげ億億衆生引導おくおくしゅじょういんどう能化のうげ南無大慈大悲なむだいじだいひ釈迦牟尼如来しゃかむににょらいも、三十二そう八十種好しゅこう御姿おすがたは、時代ごとにいろいろ御変りになった。
俊寛 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)