肺臓はいぞう)” の例文
旧字:肺臟
この雌牛は足が弱かったし、首が短すぎたし、つのが長すぎた。肺臓はいぞうが小さくって、乳首ちちくびの形が悪かった。どうしてこれではたんと乳は出まい。
そのとき、まひせいのエーテルガスがどこからか出て来て二人の肺臓はいぞうへはいっていった。それで、まもなく二人とも知覚ちかくをうしなって、動かなくなってしまった。
宇宙の迷子 (新字新仮名) / 海野十三(著)
ねじたおして重なりあった体が、人目もなくいどみあった。肺臓はいぞうの弱いお米は、啓之助に胸を押されて、苦しげに目をふさいだが、啓之助は盲になったように、その細い喉首のどくびを抱きしめた。
鳴門秘帖:03 木曾の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いくばんかわたしは肺臓はいぞういたんで、息がつまるように思われて、ねむられないことがあった。それでアルキシーとバンジャメンが代わりばんこに、寝台ねだいのそばにつききりについていてくれた。
広い青空の下に困難こんなんな生活をつづけているあいだに、わたしの手足は強くなり、肺臓はいぞう発達はったつし、皮膚ひふあつくなり、ちょうどかぶとをかぶったように寒さをも暑さをもしのぐことができるようになった。