トップ
>
肘掛窓
>
ひじかけまど
ふりがな文庫
“
肘掛窓
(
ひじかけまど
)” の例文
二人の姉が出て行ったあとで、妙子はひとり
肘掛窓
(
ひじかけまど
)
に腰掛けて晴れた晩秋の空を見上げていたが、いつの間にか彼女の
頬
(
ほお
)
にも涙が糸を引き始めていた。
細雪:03 下巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
肘掛窓
(
ひじかけまど
)
の外の
高野槙
(
こうやまき
)
の植えてある所に打水をして、煙草を
喫
(
の
)
みながら、上野の山で
鴉
(
からす
)
が騒ぎ出して、中島の弁天の森や、
蓮
(
はす
)
の花の咲いた池の上に、次第に
夕靄
(
ゆうもや
)
が漂って来るのを見ていた。
雁
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
すてきに
物干
(
ものほし
)
が
賑
(
にぎやか
)
だから、
密
(
そっ
)
と寄って、隅の本箱の横、
二階裏
(
にかいうら
)
の
肘掛窓
(
ひじかけまど
)
から、まぶしい目をぱちくりと
遣
(
や
)
って
覗
(
のぞ
)
くと、柱からも、横木からも、頭の上の
小廂
(
こびさし
)
からも、
暖
(
あたたか
)
な影を
湧
(
わ
)
かし、羽を光らして
二、三羽――十二、三羽
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と、
肘掛窓
(
ひじかけまど
)
の雨戸を一枚だけ開けて、彼女は子供に負けない程の声で叫んだ。
蓼喰う虫
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
肘
常用漢字
中学
部首:⾁
7画
掛
常用漢字
中学
部首:⼿
11画
窓
常用漢字
小6
部首:⽳
11画
“肘掛”で始まる語句
肘掛
肘掛椅子