サント)” の例文
聖堂ル・タンプル」拘置所付使丁ミッシェル、同ル・サンルウの二人によって裏門からこっそり運びだされ、サントマルグリート街の共同墓地へ埋葬された。
カストリ侯実録 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
モンサントジャンの野原。ここがほんとの戦場だ。陽がかんかん照って「土のピラミッド」が立ってる。下に「当時のパノラマ」の見世物がある。
踊る地平線:04 虹を渡る日 (新字新仮名) / 谷譲次(著)
サン・タントワヌの聖なる御顔………… サン・タントワヌはキリスト教教父のサントアントワヌ(英語読みならばセントアントニー)の名をとった地名であるので
サントマルグリートは行路病者や救貧院の引取人のない死体を投込みにする第三級墓地で、断頭台が活躍した時代には、ところかまわず大きな塚穴を掘って始末していたので
カストリ侯実録 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
サントジャンの祭日にちなんだ大饗宴があると披露されたにより、空腹ひだるい腹をかかえ、食堂の長椅子にたぐまって片唾かたずをのむところ、薦延せんいん数時間、ようやく十時真近になって
誰も彼もサントマルグリートの共同墓地へ押しかけて行ったが、太子の墓らしいものもないのに飽気にとられ、太子が死んだのは事実だろうかと飛んでもないことをいいだすものが出てきた。
カストリ侯実録 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)