聖衆しょうじゅ)” の例文
私は姉は今はもはや美しい仏となって聖衆しょうじゅたちと交わり、私たち生き残れる者をあわれみ守っていてくれることと信じます。
青春の息の痕 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
大江定基法師の、「笙歌せいが遥かに聞ゆ孤雲の上、聖衆しょうじゅ来仰す落日の前」という詩も見えた。又女院の歌らしく
ならば手柄てがらにその白刃しらはをふりかざして、法師のうしろに従うた聖衆しょうじゅの車馬剣戟と力を競うて見るがよいわ。
邪宗門 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
わだちの下に往生を遂げたら、聖衆しょうじゅ来迎らいごうを受けたにも増して、難有ありがたく心得たに相違ない。されば父上の御名誉も、一段と挙がろうものを。さりとは心がけの悪い奴じゃ。
邪宗門 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
仰ぎ願わくは、山王七社、王子眷属けんぞく、東西満山護法聖衆しょうじゅ、日光月光、無二の丹誠を照らし、唯一の玄応げんおうを垂れ給え。さすれば逆賊謀臣はたちどころに軍門に下り、こうべを京土にさらさん。
あの阿弥陀経あみだきょうのなかに「諸上善人倶会一処しょじょうぜんにんくえいっしょ」というところがあるね。わしは多くの聖衆しょうじゅの群れにかこまれた。みな美しい冠をかぶっていらしたよ。わしはもったいなくて頭が下がった。
出家とその弟子 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
「命が惜しくば、その方どもも天上皇帝に御詫おわび申せ。さもない時は立ちどころに、護法百万の聖衆しょうじゅたちは、その方どもの臭骸しゅうがい段々壊だんだんえに致そうぞよ。」と、いかずちのようによばわります。
邪宗門 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
(だんだん顔が輝いて来る)その日から私はあの尊い聖衆しょうじゅのなかの一人に加えられるのだ。なんという平和であろう。なんという光栄であろう。朝夕、仏様をほめる歌をうたって暮らすのだ。
出家とその弟子 (新字新仮名) / 倉田百三(著)