老練ろうれん)” の例文
一人は四十を越した赤銅色しゃくどういろに顔のやけたりっぱな老練ろうれんな船のりだった。もう一人は、色の白い青年で、学校を出てからまだ幾月にもならないといった感じの若い技士だった。
幽霊船の秘密 (新字新仮名) / 海野十三(著)
あの修行場しゅぎょうばには一人ひとり老練ろうれん監督者かんとくしゃるから、不審ふしんてんなになりとそれにたずねるがよい。
四人の老練ろうれんな刑事が、蛭田博士と称する怪青年のなわじりをとって、赤れんがの家の玄関を立ちいでました。悪人はしおしおとうなだれて、抵抗する元気など、どこにもなさそうです。
妖怪博士 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
失敗しっぱいすると、失敗のもとたりし理由を人格視パーソニファイして、あのかねのためにたたられたとか、あの機械のために一身をほろぼしたとか、ついにはこれを供給した人にこのうらみせ、なんなにがしはあれほど老練ろうれんであるから
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)