老儒ろうじゅ)” の例文
吉宗は紀州の屋敷元にいた時代からこの老儒ろうじゅがあまり好きでなかったので、今官を去る彼にも何の愛惜はありません。二つ三つ雑話ののち、彼はふと
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
我々の息吹いぶきは潮風しおかぜのように、老儒ろうじゅの道さえもやわらげました。この国の土人に尋ねて御覧なさい。
神神の微笑 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
単なる線の集りが、なぜ、そういう音とそういう意味とをつことが出来るのか、どうしてもわからなくなって来る。老儒ろうじゅナブ・アヘ・エリバは、生れて初めてこの不思議な事実を発見して、おどろいた。
文字禍 (新字新仮名) / 中島敦(著)