“義董”の読み方と例文
読み方割合
ぎとう100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
とこは一間を申訳のために濃いあいの砂壁に塗り立てた奥には、先生が秘蔵の義董ぎとうふくが掛かっていた。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
秘蔵の義董ぎとうふくそむいてよこたえた額際ひたいぎわを、小夜子が氷嚢ひょうのうで冷している。蹲踞うずくまる枕元に、泣きはらした眼を赤くして、氷嚢の括目くくりめに寄るしわを勘定しているかと思われる。容易に顔を上げない。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)