繁劇はんげき)” の例文
兵馬倥偬へいばこうそうの日常、政務の繁劇はんげきと、門客の出入りと、睡眠不足と、あらゆる公人的な規矩きくから寸分でも解かれて、ほっと一息つく間に
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そのおびただしい疲労のなかにも、会社の仕事はますます繁劇はんげきを加えるばかりで、佐山君らはほとんど不眠不休というありさまで働かされた。
火薬庫 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
いかに繁劇はんげき生涯しょうがいを送る人でも、折々いわば人生より退しりぞいて黙想するの必要あることは、たがいの経験で明らかであろう。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
用向きの繁劇はんげきなるがために、三日父子の間に言葉を交えざるは珍しきことにあらず。たまたまその言を聞けば、にわかに子供の挙動を皮相ひそうしてこれを叱咤しったするに過ぎず。
教育の事 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)