縁故ゆかり)” の例文
自分から一席置いて隣の二人連ふたりづれは、舞台の正面にかかっている幕の話をしていた。それには雅楽に何の縁故ゆかりもなさそうに見える変なもんが、たてに何行も染め出されていた。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
其れから御坊ごばうは昔願泉寺と云ふ真言宗しんごんしう御寺おてらの廃地であつたのを、此の岡崎は祖師親鸞上人しんらんしやうにんが越後へ流罪るざいきまつた時、少時しばらく此地こヽ草庵さうあんを構へ、此の岡崎から発足はつそくせられた旧蹟だと云ふ縁故ゆかりから
蓬生 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)