網目あみめ)” の例文
そうして木の葉の網目あみめる日光が金の斑点はんてんを地に落すあの白樺しらかばの林の逍遙しょうよう! 先生も其処に眠って居られる。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
それは、このしからぬ一味が、当局の厳しい取締の網目あみめをすりぬけて此処ここ満洲を堂々と貸切列車で押し進んでいっているということから考えても、それとうなずけるだろうと思う。
キド効果 (新字新仮名) / 海野十三(著)
地面には梢の網目あみめをのがれた光線が散乱しながら落ちていた。密林の彼方かなたで、太陽がすでに登り始めたのであろう。樹々は新芽を立てながら同時に古びた葉を梢から散らしていた。
日の果て (新字新仮名) / 梅崎春生(著)