まとま)” の例文
「ございますの。……ですけれど、まとまりました一冊本ではありません……あの、雑誌の中に交って出ていますのでして。」
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ソレ鼻、ソレ口、と思う処が、ふらふらと浮いて来ては、仰向あおむけに沈んで消える。もうちっとで、もうちっとで……と乗出すけれども、もうちっとでまとまらない。
沼夫人 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「——賛成だ、至極いいよ。私たち風来とは違って、矢野には学士の肩書がある。——御縁談は、と来ると、悪く老成おやじじみるが仕方がない……として、わけなくまとまるだろうと思うがね、実はこのお取次は、私じゃ不可まずいよ。」
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)