素破抜すつぱぬ)” の例文
旧字:素破拔
最早もう、虚無党の御世話になる必要は無いよ、クルップの男色をあばいてやれば、たちま頓死とんしするし、伊太利大蔵大臣の収賄しうわい素破抜すつぱぬいてやればただちに自殺するしサ
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
口の軽い、悪戯好いたづらずきの彼等は、どうかすると晴の場所でもそんな事を素破抜すつぱぬかぬとも限らないので、派手好き、宴会好きの成金も、このてあひの顔を見ると、そこそこに逃げ出してしまふ。
そんなら俺も彼奴あいつの事を素破抜すつぱぬいてやらう、と気が立つて来て、卑怯な奴等だ、何も然う狐鼠々々こそこそ相談せずと、退社しろなら退社しろときつぱり云つたら可いぢやないか、と自暴糞やけくそな考へを起して見たが
病院の窓 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)