紅屋べにや)” の例文
「仕樣のねえ野郎だ。そんなに御用大事に思ふなら、俺の代理に鍛冶町の紅屋べにやへ行つてくれ。——俺は怪我や變死に一々立會ふのが嫌だから、鎌倉河岸の佐吉親分に任せてあるんだ——」
あつめんと評議ひやうぎに及び即ち紅屋べにや庄藏大和屋三郎兵衞の兩人をまねき帶刀を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
下京しもぎやう紅屋べにやかどをくぐりたる男うつくし春の夜の月
晶子鑑賞 (新字旧仮名) / 平野万里(著)
下京しもぎやう紅屋べにやかどをくぐりたる男かはゆし春の夜の月
みだれ髪 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
町で老舗しにせ紅屋べにやの内儀……お悦という御新姐ごしんぞ
卵塔場の天女 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
紅屋べにやで娘の言ふことにや
おさんだいしよさま (新字旧仮名) / 野口雨情(著)
「仕様のねえ野郎だ。そんなに御用大事に思うなら、俺の代理に鍛冶かじ町の紅屋べにやへ行ってくれ。——俺は怪我や変死にいちいち立会うのが嫌だから、鎌倉河岸の佐吉親分に任せてあるんだ——」
聞傳きゝつたへて申込者は鹿島屋兵助鴻池善右衞門角屋與兵衞天王寺屋儀兵衞襖屋ふすまや三右衞門播磨はりま屋五兵衞等をはじめとして我先にと金子きんすを持參し少しも早く御用立ごようだつる者は知行ちぎやう多く下さるとて毎日々々紅屋べにや方へ取次とりつぎ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)