約翰ヨハネ)” の例文
「この六百六十六といふ数が大事なんだよ、この数が聖書のなかに出てゐるのは、君は知らないかも知れないが、約翰ヨハネ黙示録もくじろくの第十三章さ。」
黙示録の約翰ヨハネが「われ新らしき天と新らしき地を見たり、さきの天と先の地は既に過たり、海も亦たあることなし」
頑執妄排の弊 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
「どうって、そうですね、旧約の或る部分や約翰ヨハネ伝などには大部面白い所があったように記憶しています。叔父さんはあんなものをお読みになるんですか。」
恩人 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
我に世の知らざる食物あり(約翰ヨハネ伝四章三十二節)、我に永遠かぎりなくかわくことなき水あり(同十四節)
基督信徒のなぐさめ (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
墓𥥔の周囲は、約翰ヨハネと鷲、路加ルカと有翼こうしと云うような、十二師徒の鳥獣を冠彫かしらぼりにした鉄柵に囲まれ、その中央には、巨大な石棺としか思われない葬龕カタファルコが横たわっていた。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
遥々はるばるマニラまで辿りつきながら、一歩のところで思ふにまかせぬ悲運に日夜焦躁したが、徒らに落胆すべきではないので、彼は先づ聖約翰ヨハネ院と名づける病院をたてゝ哀れな病者を収容し
「砂漠の臨終」には神の権化を目撃せし聖約翰ヨハネの遺言を耳にし得べし。
海潮音 (新字旧仮名) / 上田敏(著)
「あります……馬太マタイ伝と約翰ヨハネ伝の初めの方ぐらいのものです」
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
我父は農夫なり 約翰ヨハネ伝第十五章一節
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
「其の名を信ぜし者にはちからを賜いて之を神の子と為せり」とある其事である(約翰ヨハネ伝一章十二節)、単に神の子たるの名称を賜わる事ではない、実質的に神の子と為る事である
約翰ヨハネ伝第九章三十四—三十八)
基督信徒のなぐさめ (新字新仮名) / 内村鑑三(著)