簇立ぞくりつ)” の例文
そしてやがて仮城とも見える本丸小屋と無数の陣幕が山上にひらかれ、中央に馬簾ばれん旌旗せいきなどの簇立ぞくりつしている所こそ問わずして、佐久間玄蕃允げんばのじょう床几場しょうぎばと知られる。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それ以下いかには二百以上にひやくいじよう寄生火山きせいかざん簇立ぞくりつしてゐるので鋸齒状きよしじよう輪廊りんかくられる。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
直ぐ眼下めした白樺しらかば簇立ぞくりつする谷がある。小さな人家一つ二つ。煙が立って居る。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)