簀垣すがき)” の例文
それは不弥うみの国から引き上げて来た奴国なこく兵士つわものたちの明りであった。訶和郎と香取は忍竹しのぶを連ねた簀垣すがきの中に身をひそめて、彼らの近づくのを待っていた。
日輪 (新字新仮名) / 横光利一(著)
一一四簀垣すがき朽頽くちくづれたるひまより、をぎすすき高くおひ出でて、朝露うちこぼるるに、袖一一五湿ぢてしぼるばかりなり。壁にはつたくずひかかり、庭はむぐらうづもれて一一六秋ならねども野らなる宿なりけり。