箱棟はこむね)” の例文
巣をつくり終わると、神社の拝殿か新築の家の屋根の箱棟はこむねから、お祓いの白い紙をつみ切ってきて、それを巣に吊るすのである。
探巣遅日 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
あるいは箱棟はこむねといって、舟の形をした木をさかさに伏せ、もしくは瓦をもってこの部分だけをつつんだものもあるが、日本全国を通じてもっとも多いのは、やはり萱とか藁とかの同じ材料と
母の手毬歌 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
この屋根の箱棟はこむねには雁が五羽漆喰しっくい細工で塗り上げてあり、立派なものでした(雁鍋の先代は上総かずさ牛久うしくから出ていけはた紫蘇飯しそめしをはじめて仕上げたもの)。隣りに天野という大きな水茶屋みずぢゃやがある。