筒井筒つついづつ)” の例文
これは、マヌエラの父の旧友の息子で、マヌエラとは筒井筒つついづつの仲だが、うまがあわぬというのか、マヌエラは非常に彼を嫌っていた。
人外魔境:01 有尾人 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
「それはそうと、二人の仲のいいことったら、どうでげす。振りわけ髪の筒井筒つついづつ、あのまま成人させて、夫婦めおとにしてやりてえものでげすナ」
丹下左膳:03 日光の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
あゝ、それがため足場を取つては、取替とりかへては、手を伸ばす、が爪立つまだつても、青いきれを巻いた、其の振分髪ふりわけがみ、まろがたけは……筒井筒つついづつ其のなかばにも届くまい。
伯爵の釵 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
さすがに幼少の時よりして、ともにそだちし筒井筒つついづつ。かたすぐるまでくらべこし。緑の黒髪花の顔。姿かたちもうるわしく。学問才知も人並みには立ちまさりたる浜子なれば。
藪の鶯 (新字新仮名) / 三宅花圃(著)
ああ、それがため足場を取っては、取替えては、手を伸ばす、が爪立っても、青いきれを巻いた、その振分髪、まろが丈は……筒井筒つついづつそのなかばにも届くまい。
伯爵の釵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
子供ごころにいたくその身の上に同情したのだろう、ひとつ違いの二人は、ふり分けがみ筒井筒つついづつといった仲で、ちいさな夫婦めおとよと、長屋じゅうの冗談の的だったのだが……。
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
浅草の竜泉寺りゅうせんじのとんがり長屋、羅宇屋らうや作爺さくじいさんの隣家となりに住んでいるが、その作爺に、お美夜みやちゃんという七つになる孫娘があって、これがチョビ安と筒井筒つついづつの幼同士、まア
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)