符節ふせつ)” の例文
さうかと言つて、急に此の家を出るといふ話ではなかつたらしく、昨夜のことは、お島や伊八の話と符節ふせつを合せたやうに同じです。
「ふウム? ——」と万太郎は金吾と眼を見合せて、自分の踏んで来た径路に符節ふせつを合して考えこみました。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
六波羅の陥落と遠い東国の蜂起ほうきとが、日まで、符節ふせつを合わしたごとくおこなわれたその遠謀のたしかさに
私本太平記:08 新田帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
平次は其處に時松を留め置いて、相模屋さがみやに引つ返し、娘のお峯を呼出して、耻かしがるのを、いろ/\なだめすかし乍ら訊き出すと、この話も、符節ふせつを合せたやうに、時松の話と一致します。
偶然——その口書の内容と、今、日本左衛門がここで一同に話したこととは符節ふせつがピッタリと合っている。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
幸三郎の言ひわけは、伜の幾松と符節ふせつを合せて居ります。
「それや双方の思いが、はからず符節ふせつを合わせたわけじゃ。……どこで語ろう」
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
兵が目撃したという所と、この報告書とは、符節ふせつを合したように一致していた。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
はからずも、彼が長柄ながら埠頭ふとうで知った風説と、それは符節ふせつが合っている。
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、符節ふせつをあわせたように、一致していた。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)