笛吹ふえふき)” の例文
この制度は、箱根、笛吹ふえふき両関所に準じ、出入りとも手形割符を照らしあわせて、往来ゆききを改める。
丹下左膳:03 日光の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
笛吹ふえふき太鼓打たいこうち狂言師きょうげんしなどを大勢つれて、秀吉は、寧子の部屋へ押しかけた。老母は、つかれたといって、自身の奥の間へかくれ、水入らずの夫婦と、楽屋連中だけとなった。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
貴きひじりが、このみねいただきに立って、東に落つる水も清かれ、西に落つる水も清かれと祈って、菩薩の像をめて置いた、それから東に落つる水は多摩川となり、西に流るるは笛吹ふえふき川となり
雁坂かりさか峠を越えて甲斐かい笛吹ふえふき川の水上に出で、川と共に下りて甲斐に入り、甲斐路を帰らんとかねては心の底に思い居けるが、ここにて問いただせば、甲斐の川浦という村まで八里八町人里もなく
知々夫紀行 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
『甲斐国志』及び同地方の五万分一地形図を見ると、甲府の南から笛吹ふえふき釜無かまなしの川合に掛けて、しばしばこの川の水害を被むる村方に紙漉阿原かみすきあわら臼井うすい阿原・何阿原という地名がたくさんにある。
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)