立尽たちつく)” の例文
旧字:立盡
余りに事の意外さに、蘭堂は暫くぼんやり立尽たちつくしていたが、やがて、テーブルの上の手紙の様な紙片かみきれを手に取って、むさぼり読んだ。
恐怖王 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
そうしてかれは一日中にちじゅう、また一晩中ひとばんじゅう穴蔵あなぐらなか立尽たちつくし、その翌日よくじつもやはりぬ。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
電気人形の前でも、地獄極楽の前でも、女剣舞の前でも、長い間、田舎者みたいにポカンと立尽たちつくしていた。
猟奇の果 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)