空鳴からな)” の例文
Kさんのその時分じぶんうたに、わがはしやぎし心は晩秋ばんしう蔓草つるくさごとくから/\と空鳴からなりするといふやうなこゝろがあつたやうにおぼえてゐます。
冬を迎へようとして (旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
「あっ!」——というと彼の刀は、青龍刀のような空鳴からなりをさせて、徳川万太郎そのものの体と共に、相手の肩を越して方丈の庭先へもんどり打って捨てられています。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、空鳴からなり、空の鐘。
海豹と雲 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)