空殻あきがら)” の例文
壇の浦で有名な平家蟹へいけがになどは八本ある足の中の四本を用いて、はまぐりのごとき貝の空殻あきがらを背負い、他の四本でうている。
自然界の虚偽 (新字新仮名) / 丘浅次郎(著)
店に捨てた多くの空殻あきがらを集めて小児が積み上げ、その上に蝋燭をともし、行人に一銭を乞いてその料とす。
といきなり両手を拡げて武者振むしやぶりついたと思ふと、力一杯頭突を食はせた。法律の箇条書で一杯詰つてゐる筈の頭は、案外空つぽだつたと見えて、缶詰の空殻あきがらを投げたやうに、かんと音がした。
(新字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
といきなり両手を拡げて武者振むしやぶりついたと思ふと、力一杯頭突づつきを食はせた。法律の箇条書かでうがきで一杯詰つてゐる筈の頭は、案外空つぽだつたと見えて、缶詰の空殻あきがらを投げたやうに、かんと音がした。