)” の例文
けれど私の父はつもる不幸を耐えてきたおかげか、人生に対するさまざまのかなしみにもなれ、心の自由と愛とをているようです。
青春の息の痕 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
また豆を植えかつ豆をんと欲するところに、麦が繁茂したならば、たとえ豆よりも尊いにしても、耕作者の目的にかなわぬ以上は、やはりこれを害草と同じく取扱わねばならぬ。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
彼は三升の蕎麦そばいて、二升の蕎麦をたことがある。彼が蒔く種子は、不思議に地に入って雪の如く消えて了う。彼が作るは多くにがい。彼が水瓜は九月彼岸前にならなければ食われない。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
はびこるという文字の意味を悪くるからぬかは、これを用うる人の意によりてちがうので、豆をんとする人には、麦がしき意味にはびこるのであり、麦をんとするところに豆が茂れば
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)