稚子輪ちごわ)” の例文
青銅で造った大形の龕燈がんどうを、両手で重そうに捧げた後から、稚子輪ちごわに髪を結って十五、六の美童が、銀の鈴を振りながら、側目わきめも振らず歩いて来、その後から具足をつけた二人の武士に
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
髪を稚子輪ちごわに結い、朱胴しゅどうしゅおどしの小具足を、尊氏によばれると
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
稚子輪ちごわに結った髪も、曙染あけぼのぞめたもとも、金糸きんしぬいも、紫濃むらごはかまも、みんなおそろいであったが、元より山家の生ればかりなので、その袂で汗は拭く鼻くそはこする、せっかく化粧して貰った白粉も、まゆずみ
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
黒木をいただいた白河女しらかわめや、壺装束の若い女や、牛を曳いた近郊の農夫や、高足駄をはいた北嶺の僧や、御幣ごへいを手に持った清水の巫女みこや、水干すいかん稚子輪ちごわの僧院の稚子や、木匠だいくや魚売りや玉工たまみがき鏡師かがみし
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)