秋晴しゅうせい)” の例文
劈頭へきとう第一に小言を食わせるなんぞは驚いたね。気持の好い天気だぜ。君の内の親玉なんぞは、秋晴しゅうせいとかなんとか云うのだろう。
かのように (新字新仮名) / 森鴎外(著)
このごろ秋晴しゅうせいあしたちまたに立って見渡すと、この町も昔とは随分変ったものである。懐旧かいきゅうかんがむらむらと湧く。
思い出草 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
ともすれば石炭酸のの満ちたる室をぬけでて秋晴しゅうせいの庭におりんとしては軍医の小言をくうまでになりつ。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
えらい事になりました。僕は「秋晴しゅうせい」や「秋曇しゅうどん」をかいて満足していられるようになりたい。その方がどの位個人として幸福か知れない。僕がかくのは冗談にかくんじゃない。
漱石氏と私 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)