祁山きざん)” の例文
祁山きざん(甘粛省・鞏昌きょうしょう附近)一帯の山岳曠野を魏、蜀天下の分け目の境として、まさにその第一期戦はここに展開されようとしている。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
孔明こうめい兵を祁山きざんいだす事七度ななたびなり。匹婦ひっぷ七現七退しちげんしちたい何ぞ改めて怪しむに及ばんや。唯その身の事よりして人にるいおよぼしために後生ごしょうさわりとなる事なくんばよし。皆時の運なり。
矢はずぐさ (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
祁山きざん悲秋の風ふけて
樹氷 (新字新仮名) / 三好十郎(著)
すなわち魏の孫礼そんれいは、兵糧ひょうろうを満載したように見せかけた車輛を何千となく連れて、祁山きざんの西にあたる山岳地帯を蜿蜒えんえんと行軍していた。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
事成るやただちに、孔明は祁山きざんへ向って軍をかえした。途中、表をしたためて、成都へ使いを立て、後主劉禅りゅうぜんへ勝ちいくさのもようを奏した。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
また尹奉いんほう趙昂ちょうこうの邸を包囲し、その妻子召使いまで、みなごろしにしてしまった。ただ、かの貞節な趙昂の妻だけは、祁山きざんの陣へ行っていたので、その難をのがれた。
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いわんや晩年数次にわたる北魏ほくぎ進撃と祁山きざん滞陣中の労苦とは、外敵の強大なばかりでなく、絶えず蜀自体の内にさまざまな憂うべきものが蔵されておったような危機に於てをやである。
三国志:12 篇外余録 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
姜叙、楊阜は歴城にたむろし、尹奉いんほう趙昂ちょうこうは、郷党の兵をひきいて、祁山きざんへ進出した。
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しかし、祁山きざんに陣していた尹奉いんほう趙昂ちょうこうとは
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)