“砂堤”の読み方と例文
読み方割合
すなどて100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
川の方へ、引こう引こうとしていた、そのうつくしい女の、やさしい眉がきっとしまると、みのを入れちがいに砂堤すなどてに乗って、海の方から御坊の背中を力一杯どんとした。
河伯令嬢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
川の方の砂堤すなどての腹にへばりついて、美しい人の棄てた小笠を頭陀袋ずだぶくろの胸に敷き、おのが檜木笠を頸窪ぼんのくぼにへしつぶして、手足を張りすがったまま、ただあれあれ、あっと云う間だった、と言うのです。
河伯令嬢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
暴風雨あらしのために、一夜に出来た砂堤すなどてなんです。お断りするまでもありませんが、打って寄せる浪の力で砂をき上げる、川も増水のいきおいで、砂を流し流し、浪にかれて、相逆あいさからってそこに砂を装上もりあげる。
河伯令嬢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)