矢橋やばせ)” の例文
六二さしも伊吹の山風に、六三旦妻船あさづまぶねぎ出づれば、芦間あしまの夢をさまされ、六四矢橋やばせわたりする人のなれさををのがれては、六五瀬田の橋守にいくそたびか追はれぬ。
このごろ近江あふみ矢橋やばせで遊女梅川の墓が発見めつけられた。物好きな人の調べによると、梅川は忠兵衛に別れてから、幾十年といふ長い月日をこゝで暮し、八十三でころりと亡くなつたさうだ。
帰る矢橋やばせの船でさへ
蛍の灯台 (新字旧仮名) / 野口雨情(著)
矢橋やばせの渡し舟の船頭があやつるさばきあざやかななれざおから身をかわして、瀬田の橋の方へ泳いでいくと、こんどは橋番からなんどもなんども追いたてられたのです。
帰る矢橋やばせの船でさへ
未刊童謡 (新字旧仮名) / 野口雨情(著)