瞻上みあ)” の例文
ツイ其処に生後まだ一ヵ月もたぬ、むくむくとふとった、赤ちゃけた狗児いぬころが、小指程の尻尾しっぽを千切れそうに掉立ふりたって、此方こちら瞻上みあげている。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
私達はマジマジと瞻上みあげたまま暫く物も言わずにいた。旨く越えられるだろうかという心配が起る。
黒部川奥の山旅 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
何心なく其面そのかお瞻上みあげて尾をる所を、思いも寄らぬ太い棍棒がブンと風をって来て……と思うと、又胸が一杯になる。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
と私のかお瞻上みあげた。ええとか、何とかいって踟蹰もじもじしている私の姿を、雪江さんはジロジロ視ていたが
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)