眼張がんば)” の例文
露地から急いで、……あのお千世さんが心づかい、台所から長火鉢、二階を股に掛けて、眼張がんばっている、ものがもの。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
(若い坊様連れて川へ落っこちさっしゃるな、おらここに眼張がんばって待っとるに、)と横様よこざまに縁にのさり。
高野聖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
わか坊様ばうさまれてかはつこちさつさるな。おら此処こゝ眼張がんばつてるに、)と横様よこさまえんにのさり。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
三原伝内が眼張がんばってれば、びくともさせるこっちゃあねえ。眼をくらまそうとってそりゃ駄目だ。何の戸外おもてへ出すものか。こっちへござれ。ええ、こっちござれとうに。
琵琶伝 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ちょうど尾花の背景うしろもある、牛頭馬頭ごずめず眼張がんばりながら、昔のかたを遣ってみべいと
わか紫 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)