真後まうし)” の例文
旧字:眞後
このさるは『権力けんりょくが代表せられる令名れいめい高き閣下かっか』の真後まうしろにをかまえてこっけいなしかめっ面をして見せていた。
ここからそう時をついやさずに、目的の一乗寺下り松のちょうど真後まうしろへ、山の上から望むこともできるのだった。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
馬鹿にするか。……これは俺がこしらえた道だ。おおかた半年もかかったろう。天狗の宮の真後まうしろまでこの崖道がけみちは続いている。いや随分苦労したよ。もうここまでやりとげれば後は的物てきものを盗むだけだ
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)