“盛場”の読み方と例文
読み方割合
さかりば100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
小児こども飴菓子あめがしを売って一手ひとて踊ったり、唄ったり、と同じ格で、ものは違っても家業の愛想——盛場さかりばの吉原にさえ、茶屋小屋のおかっぱお莨盆たばこぼんに飴を売って、じじやあっち、ばばやこっち
唄立山心中一曲 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
わたくしは種田先生が家族を棄てて世を忍ぶ処を、この辺の裏町にして置いたら、玉の井の盛場さかりばも程近いので、結末の趣向をつけるにも都合がよかろうと考え、一町ほど歩いて狭い横道へ曲って見た。
濹東綺譚 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
中へ出る人物は、芸妓げいしゃが二人、それと湘南の盛場さかりばを片わきへ離れた、あし浦辺うらべの料理茶屋の娘……と云うと、どうも十七八、二十はたちぐらいまでの若々しいのに聞えるので、一寸ちょっと工合が悪い。
甲乙 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)