百助ももすけ)” の例文
彼が、これを最後として作りにかかっているのは、窯焚かまたきの百助ももすけが、自分をののしった言葉に着想を得た、増長天王ぞうちょうてんのう二尺の像である。
増長天王 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
内田から手前に百助ももすけ小間物こまもの店があった。職工用の絵具一切を売っているので、諸職人はこの店へ買いに行ったもの)、この横丁が百助横丁、別に唐辛子とうがらし横丁ともいう。
その中にはこの馬籠の村の開拓者であるという祖先青山道斎のことも書いてあり、家中女子ばかりになった時代に妻籠の本陣から後見こうけんに来た百助ももすけというような隠居のことも書いてある。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
窯焚かまたきの百助ももすけは、無論あのまま黙ってはいない。なお、執念しゅうねん深く、兆二郎ちょうじろうの疑点をいくつも探り、佐賀の城下へ出て密告した。
増長天王 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「お父さんはいいのだよ。だけれど、困ったことが出来たようだ……あの窯焚かまたきの百助ももすけと鈴木さんが来て、何だかお前に来てくれというのだけれど」
増長天王 (新字新仮名) / 吉川英治(著)