白髪首しらがくび)” の例文
旧字:白髮首
武蔵は、太左衛門の脇差をかわして、太左衛門の白髪首しらがくびのどこかをつかむと、大股に十歩ほど持って来て、外濠そとぼりの中へその体をほうりこんでしまった。
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いっ今夜こよいはこのままで」トおもう頃に漸く眼がしょぼついて来てあたまが乱れだして、今まで眼前に隠見ちらついていた母親の白髪首しらがくびまばら黒髯くろひげが生えて……課長の首になる
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
この白髪首しらがくびを賭けてもいいよ。わしは生れてからこのかた、同じ失敗を二度繰返さないという、固い信念を持っているのじゃ。妹さんのことは、何とも申訳もうしわけがないと、胆に銘じている。
妖虫 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
「彦左、しばらくその白髪首しらがくびをあずけたぞ」
幻術天魔太郎 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
「神かけて、わしらもいのる。——これが隣国となら、真っ先に、白髪首しらがくびを、投げ出してもよいが」
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「否とよ将軍、すでにお忘れありしか。むかし少年の日、あなたが我に教えた語には、大義たいぎしんめっすとあったではないか。——それっ諸将。あの白髪首しらがくびを争い奪れっ。恩賞は望みのままぞ!」
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「然り。——その白髪首しらがくびを所望に参った」
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「そのような白髪首しらがくびをまだ惜しむか」
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)