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痴愚
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ちぐ
ふりがな文庫
“
痴愚
(
ちぐ
)” の例文
旧字:
癡愚
『尽すかぎりは尽しておる。
悔
(
く
)
ゆるにも及ぶまい。盛遠とて、根からの
痴愚
(
ちぐ
)
ではなし、辻かための手にかかるほどなら……』
新・平家物語:02 ちげぐさの巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
私の記憶では
社
(
やしろ
)
は二つあったように思われる。一つは
縁切
(
えんき
)
りの神とせられ、一つは縁結びの神とせられて、
痴愚
(
ちぐ
)
な附近の男女の祈願所となっている。
宇賀長者物語
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
これは本より
痴愚
(
ちぐ
)
瘋癲
(
ふうてん
)
の類で、三度も生れ代らなければ貧乏人にもなれぬ程の不幸な人で、論外である。
貧富幸不幸
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
爰
(
ここ
)
に神の真理の大河となり、洋々として大地を洗い、その不可抗の威力の前には、現在
汝等
(
なんじら
)
を悩ます
痴愚
(
ちぐ
)
も、不信も、罪悪も、虚偽も
皆
(
みな
)
跡方もなく一掃せられて
了
(
しま
)
うであろう。
霊訓
(新字新仮名)
/
ウィリアム・ステイントン・モーゼス
(著)
これはわたくしの性の
獰猛
(
どうもう
)
なのによるか。
痴愚
(
ちぐ
)
なるによるか。自分にはわからぬが、しかし、今のわたくしは、人間の死生、ことに死刑については、ほぼ左のような考えをもっている。
死刑の前
(新字新仮名)
/
幸徳秋水
(著)
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元来が、彼は多分に
痴愚
(
ちぐ
)
な男である。その痴愚が働きだすと、ひと事ながら、声をあげて泣きたい気もちがしてきた。
新書太閤記:04 第四分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
自力門の修行は、智恵を窮めて
生死
(
しょうじ
)
を離れ、
易行門
(
いぎょうもん
)
の修行は、
痴愚
(
ちぐ
)
にかえって極楽に生れるところにあるのでござる。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それには、小智、小惑、すべて小人の
痴愚
(
ちぐ
)
を
脱
(
と
)
って、
裸々
(
らら
)
たる一個の人間のままでお
在
(
わ
)
せ
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“痴愚”の意味
《名詞》
ばか。おろか。
精神遅滞のランクの一つ。かつて、重度のものを「白痴」、中度のものを「痴愚」、軽度のものを「魯鈍・軽愚」と呼称した。
(出典:Wiktionary)
痴
常用漢字
中学
部首:⽧
13画
愚
常用漢字
中学
部首:⼼
13画
“痴愚”で始まる語句
痴愚凡情