痛恨つうこん)” の例文
百霊の痛恨つうこんは思いやられる。悲惨はいうもおろかである。さはいえまた、きわまりなく美しい生命の業火ごうかよとも仰がれた。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
過去くわこ痛恨つうこんあらたにすべく、普通ふつうひと滅多めつた出逢であはないこの偶然ぐうぜん出逢であふために、千百にんのうちからされなければならないほど人物じんぶつであつたかとおもふと、宗助そうすけくるしかつた。また腹立はらだゝしかつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
だが、そう決したのちも、藤吉郎を犠牲にしたかと考えると、痛恨つうこんにたえなかった。
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「だが、いかに痛恨つうこんしてみても、実力のある曹操をどうしようもあるまいが」
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「このうらみは、きっとはらすぞ。今はなお、官兵衛様のご一身を助け出すまで、われらの身もままならぬが、いつかは必ず、半兵衛重治にたいし、この痛恨つうこんを思い知らせずに措くものではない」
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)