疲曳よぼよぼ)” の例文
いや、名歌めいかはしばらく預ッておいて、本文ほんもんかかろう。そうこうしているうちに船頭が出て来た。見ると疲曳よぼよぼ爺様じいさんさ。
取舵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
実に見せたかッたね、その疲曳よぼよぼ盲者めくらがいざとッて櫓柄ろづかを取ると、仡然しゃっきりとしたものだ、まるで別人さね。なるほどこれはそのみちに達したものだ、と僕はおもッた。
取舵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
どうで隠居いんきょをするというのだから、老者としより覚悟かくごの前だッたが、その疲曳よぼよぼめくらなのには驚いたね。
取舵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)