疎濶そかつ)” の例文
仙太郎さんは何でも私の父とごく遠い親類つづきになっているんだとか聞いたが、交際つきあいからいうと、まるで疎濶そかつであった。
硝子戸の中 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ただし『甲子夜話』続十七に、しゅうとの所へ聟見舞に来り、近頃疎濶そかつの由をいいかれこれの話に及ぶ。
ケダシ賀寿ノえんヲ設ケテ以テソノ窮ヲ救ヘト。先生曰ク、中興以後世ト疎濶そかつス。彼ノ輩名利ニ奔走ス。我ガ唾棄だきスル所。今ムシロ餓死スルモあわれミヲ儕輩せいはいハズト。晩年尤モ道徳ヲおもんズ。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)