畳込たたみこ)” の例文
それがこう変な形になって現れたのはどういう訳だか、自分には始めからみ込めなかった。母はまたそれを胸の中に畳込たたみこんでいるという風に見えた。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
少くとも、あの、絵看板を畳込たたみこんで持っていて、汽車が隧道トンネルへ入った、真暗まっくらな煙のうちで、さっと化猫が女をむ血だらけなはかまの、真赤まっかな色を投出ほうりだしそうに考えられた。
革鞄の怪 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)