“留守勝（るすがち）” の例文
「だつて、兄（にい）さんが留守勝（るすがち）で、嘸御淋（さむ）しいでせうなんて、あんまり思遣（おもひや）りが好過（よす）ぎる事を仰（おつ）しやるからさ」と云ふ言葉があつた。代助は其所（そこ）へ自分を挟（はさ）んだ。
それから (新字旧仮名) ／ 夏目漱石(著)
甚「好（い）い若（わけ）え者（もん）だ、いゝや、まア泊って行きねえ、何（ど）うせ着て寝る物はねえ、留守勝（るすがち）だから食物（くいもの）もねえ、鍋は脇へ預けてしまったしするから、コロリと寝て明日（あした）行きねえ、己と一緒に寝ねえ」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) ／ 三遊亭円朝(著)
此後（こののち）は留守勝（るすがち）ならん萩の庵（いお）
六百句 (新字新仮名) ／ 高浜虚子(著)