由々敷ゆゝしき)” の例文
則重公由々敷ゆゝしき事に思召おぼしめされ早々さう/\に老臣共を召されて此事如何あるべきと御諚ごぢやうありければ、老臣共申すやう、抑も檜垣の門徒衆は年頃別而昵近べつしてぢつこんに致し
重役方へ願ひしがはや評議ひやうぎ一決の由にて聞屆きゝとゞけられず由々敷ゆゝしき御大事ゆゑ君への御奉公再吟味の儀御許おんゆるし下され候樣に直願ぢきぐわんつかまつり度何卒此段御取次下されたしと思ひ込で申ける高木伊勢守も打聞うちきいいたく驚きしが先刻せんこくの口上もあれば迷惑めいわくに思はれたり其故は越前守の願ひ言上に及べば御發明の將軍家しやうぐんけ御許おんゆるしあるべしすれば伊豆守殿には
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
由々敷ゆゝしき一大事と存じ、それがし日夜軍旅にあって合戦のはかりごとに肝胆を砕く間にも、一方ならず胸を痛めているのであるが、それについて考えるのに、その方は生来器用の者で琵琶を上手に弾くのみならず
聞書抄:第二盲目物語 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)