生馬いくま)” の例文
それは度に合つた眼鏡さへ懸ければ、それでいゝので、現に有島生馬いくま氏などは、長年の神経衰弱を、眼鏡の力ですつかり治してゐる。
その間には、小山内薫おさないかおる君、有島生馬いくま君、青木しげる君、田山花袋君、それから柳田国男君を馬場裏の家に迎えた日のことも忘れがたい。
千曲川のスケッチ (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
失敬な事を云ふ奴だと思つたが、翁に会ひたいと云ふねがひはずんで居る心には腹も立たなかつた。晶子は東京の有島生馬いくま君から貰つて来た紹介状に皆の名刺を添へて下部ギヤルソンに渡した。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
小説家有島武郎氏が、米国留学から帰つて来る途中仏蘭西へ廻つて、その頃巴里パリーで絵を習つてゐた弟の生馬いくま氏を訪れた事があつた。